048話:海外のネットショップで個人輸入した時の税金は…
2019-0313 水 個人輸入の関税などなど
何気なく、UKのmoto-binsでパーツやメンテナンス品を個人輸入していたが、関税のことが気になった。moto-binsでの購入は、Webでいとも簡単にできたのだが、2回とも関税を払った記憶がない。そこで、調べてみると、
・購入価格(送料は別で)×0.6が日本円で1万以上になると10%の関税と消費税(現行8%[2019.10から10%になった。])がかかる。
ということがわかった。なるほど、前2回は、いずれも1万未満だった。完全に無税というわけだ。
そこで、税関のHP(http://www.customs.go.jp/kaigairyoko/zeigaku.htm)を覗いてみると、『税額の計算方法』という項目があったので、バイクの部品を輸入するとして、私なりにまとめてみた。これは、先述の『エンディュララストオルタネータ』をアメリカの本家でネットショップした場合を考えてのことである。
○税額の計算方法
・課税価格:
本文:『「課税価格」とは、一般の輸入取引の場合の輸入港での価格をいいます。通常、携帯品や別送品として持ち込まれるお土産等については、海外での小売価格(購入価格)の6割程度の額としており、………』
『一般の輸入取引の場合の輸入港での価格』ってどうやって調べるんだ!と思ったのだが、さらに調べると、
『少額輸入貨物の簡易税率(http://www.customs.go.jp/tsukan/kanizeiritsu.htm)』
というのがあった。
本文:少額輸入貨物の簡易税率(総額20万円以下の場合)
『……ますが、一般貨物または郵便小包を利用した場合で、課税価格の合計額が20万円以下の場合には、一般の関税率とは別に定められた簡易税率が適用されます』
となっていた。
『少額輸入貨物に対する簡易税率表 (関税定率法第3条の3関係)』という表があって、
5 | プラスチック製品、ガラス製品、卑金属(銅、アルミニウム等)製品、家具、玩具 等 | 3% |
7 | その他のもの | 5% |
となっていた。まあ、バイクの部品だから、20万以下で、この表の5か7の税率かなと考えられる。と、思う。
そして、この表の下に注記らしきものがあり、関係しそうなものを拾い出すと、
本文:『1.課税価格が1万円以下の貨物の場合、原則として、関税、消費税および地方消費税は免除されます。……』(例外あり)
本文:『2.個人の方がご自身の個人的使用の目的で輸入する貨物の課税価格は、海外小売価格に0.6を掛けた金額となります。……』
本文:『3.上記の関税率とは別に内国消費税(消費税、酒税など)および地方消費税が別途課税されます。また、無税のものについては、内国消費税および地方消費税のみが課税されます。』
となっていた。なので、課税価格が1万以下であれば、無税(関税も消費税も)となる!(疑問解決(^^♪))
では、元に戻って、
『税額の計算方法』の続きなのだが、
本文:2.税率
(3)消費税及び地方消費税のみ課税されるもの
(関税無税品)
で、バイクの部品は、『関税無税品』扱いでした。
では、その根拠はというと。
トップ> 貿易統計> 輸入統計品目表(実行関税率表)> 輸入統計品目表(実行関税率表)(http://www.customs.go.jp/tariff/2019_2/data/j_87.htm)
実行関税率表(2019年2月1日版)> (※抜粋)
第17部 車両、航空機、船舶及び輸送機器関連品
第87類 鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品及び附属品
87.11 モーターサイクル(モペットを含むものとし、サイドカー付きであるかないかを問わない。)、補助原動機付きの自転車(サイドカー付きであるかないかを問わない。)及びサイドカー
基本 General |
WTO協定 WTO |
||
8711.50 | シリンダー容積が800立方センチメートルを超えるピストン式内燃機関(往復動機関に限る。)付きのもの | 無税 General |
(無税) |
と
87.14 部分品及び附属品(第87.11項から第87.13項までの車両のものに限る。)
基本 General |
WTO協定 WTO |
||
8714.10 | モーターサイクル(モペットを含む。)のもの | 無税 General |
(無税) |
とまあ、こと細かくかいてあった。表示の仕方というか、表の区切りがよくわからず、バイクに関連する部分を見つけるのに苦闘した。
で、この『実行関税率表』によると、バイクとその部品は関税に関して無税であることがわかった(^^♪。そして、個人輸入の場合、課税価格が1万以下なら、消費税を含め完全に無税だ!(バイクを含め、自動車関連品は無税のよう。)
では、要点をまとめておこう。
【個人輸入をする場合の税金(バイクの部品)】
・条件:個人輸入で、自分が使用するものであること
・関税:バイク部品は無税である。
・消費税(現行8%[2019-10以降10%]):
課税価格1万円以下 | 関税を含め、消費税も無税となる。 |
課税価格1万円以上 | 関税は無税だが、消費税は課税される。 |
・課税価格:現地購入価格(送料を除く)を0.6倍した額
・納入する税額の計算
課税価格=購入価格×0.6
関税=課税価格×0=0
消費税=IF(課税価格>10000, 課税価格×0.08, 0)
納入する税額=関税+消費税
よって、
納入する税額=IF((購入価格×0.6)>10000, 課税価格*0.08, 0)
過去、2回のUK(moto-bins)からの個人輸入では、前述のように1万未満の購入だったので、無税扱いとなっていた。では、今後予想されるエンデュララストオルタネータキットの場合はどうなるか。
EME(Euro Motoelectricshttps://www.euromotoelectrics.com/)のページで、商品価格が$499.00となっている(2019.03現在)。換算レートを112円/$として、
課税価格=499.00×0.6×112=33,533円
となり、1万円を超える。よって、関税は0円だが、消費税は、
消費税=33,533×0.08=2,682円
となるが、前述の税関のHP『税額の計算方法』に『(税目合計額の100円未満は切り捨てます)』とあるので、
消費税=2,600円となる。
EMEの購入ページで、送料が$65.29(\7,313)と表示されていたから、
($499+$65.29)×112+2,600=65,801円
となって、約6万6千円で購入できることになる(※円-ドルのレートしだいだが)。
しかし、法律は難しい。行く重にも、IF文や、CASE文が複雑に絡み合っている。ひょっとして私の解釈もどこかでズレている可能性もあるが、まあ、こんなところであろう。では、オルタネータキットを、ついでだからデジタルイグニッションセットもつけて、ポチッとしましょうか。またまた、眠られる夜を演じてしまいそうな今日この頃である。
※これを書いている2019-11現在、いまだに購入していない。なんとなく大丈夫かなという気分になっている。ダイナモが壊れたら再考してみるか(^^)/