StepSRXの思考・試行・嗜好と挑戦

BMW R100RSとその他モロモロ、わたしの体験談の予定(^^♪

姉妹ブログ『 StepSRXの思考・試行と挑戦(MyHouse) 』へもどうぞ(^^)/

028話:充電中でも放電するとは如何なることか

 ETC車載器をどうするかを考えつつ、充放電計が示す電流値の不思議に思いをめぐらした。
 『026話:充放電計にもう一工夫2(実施編)』で、充電計と放電計を取り付け、その結果、充電中と思われるときにも放電しているらしいことがわかった。なぜそうなるのか?以下に私なりの考察を述べようと思う。

 

2019-0122 充放電計が示す電流値についての考察

 エンジンを起動し、確実に充電状態となっている時、放電計の値が0以上の値を示す原因を追究してみた。
 エンジン停止時には、放電計が0.6A程の値を示し、充電計は0.0Aである。ということは、放電ラインの電流が、充電ラインのセンサーに影響を与えていないことになる。ただ、電流値が小さいので影響がない可能性はあるが、今回はこれを考えず、どちらのラインの電流も、他方のセンサーに影響を与えないものとする。とすれば、なぜ、エンジン起動中、つまり、オルタネータが発電しているときに両方の電流値を計測してしまうのか。

 

f:id:StepSRX:20190525111333p:plain
《充放電_電流経路図》

 

 上の図は、オルタネータ(発電機)&電装負荷とバッテリーの正極の間に入れた充電及び放電を計測する電流計を結ぶ回路である。ダイオードを挟んで、充電側(青色矢印)と放電側(赤色矢印)で経路を分けて各々の電流値を測定している。これからの考察は、前述のように、充電計測用の電流計は、青色矢印の電流値を、放電計測用の電流計は赤色の電流値を測定し、お互いに影響を及ぼさないことが前提である。
 そして、電流の流れは、電子の動きである。電子の動き自体は光速比べたら遅いそうだが、動く向きの変化が伝わるのはほぼ光速らしい。人間の感覚が及ばない世界なのかもしれない。

 最初、いろいろ考えたが、わけが分からなかった。そうこうしているうちに、ひとつ忘れていたことがあった。オルタネータで発電している電気は、交流であることであった。発電された交流をダイオードボード(レクチファイア)で整流している。電気回路を学んだことがある人には当たり前の話しであろう。交流を直流に変換するとき、半波整流や全波整流という方式や平滑回路というものがあることを。
 ここでは、全波整流で考えてみる。なお、バッテリーの電圧(VB)は充電状況によって変化するが、考えを簡単にするために、12Vで変化しないと仮定する。また、車載の取扱説明書に載っている電装品の回路図には、ダイオードボード(整流器)にあたる部分の記載はあるが、平滑回路にあたる部分が無いことから、整流後の波々を平らな一定値の電流に変換する回路がないものとする(バッテリーがその役目をしているらしい)
 発電された電気は、前述のとおり交流である。時間経過と共に、正負が入れ替わる。グラフ化すると以下のようになることが推測できる。

f:id:StepSRX:20190525111334p:plain

《充放電_発電電圧グラフ》(※『VB』はバッテリーの電圧。約12V一定と仮定)

 オルタネータが発電する誘導電圧は、エンジンの回転が始まる(起動する)と、このような波形(交流)となる。回転が速くなると、高低差(電圧差)が大きくなり間隔が狭くなる。

 ダイオードボード(整流器)で全波整流されるとしたら、次図のように、のこぎり刃上の電圧が生じていることになる。

f:id:StepSRX:20190525111330p:plain

《充放電_整流電圧グラフ》

 この時、バッテリー側にも電圧(VB)があり、誘導電圧(オルタネータが起電した電圧)が、VBを超える(青色部分)と、バッテリーへの充電が行われ、逆にVBを下回る(赤色部分)とバッテリーからの放電が起こると考えられる。
 となれば、バッテリーの正極に繋がるライン上では、次の『バッテリー正極ラインの電流』のようなグラフが考えることができる。

f:id:StepSRX:20190525111332p:plain

《充放電_電流グラフ》

 エンジン停止中は、バッテリーから放電計測ラインに電流が流れ、放電計が+の値を示す。
 エンジンが動き出すと、誘導電圧が VB より低い所(赤色部分)では、放電計測ラインに、誘導電圧が VB より高い所(青色部分)では、充電ラインに電流が流れ、それぞれの電流計が+の値を示す。アイドリング時は、誘導電圧の最大値が低いため、全体としては、放電量の方が多くなる。そして、ある程度の回転数(例えば1500rpm)以上になると、誘導電圧の最大値が十分に高くなり、全体として充電量の方が多くなる。

 ということで、今回製作し取り付けた充電電流と放電電流を別経路で測定するという手法で、発電中にもかかわらず、どちらの電流計も+の値を示す原因は、オルタネータで生じる誘導電圧が、整流器(ダイオードボード)通過後、0Vから13.5V(レギュレータで規制されている電圧まで)の範囲で常に変化しているということが原因であると考えられる。

 と考察したが、取り付けた電流計自体の精度や測定能力がよくわからないのでちょっと不正確かもしれない。が、まあ、こういうことであろう。とりあえず解決だ。ということにしておこう(^^)/ ※別解があれば教えてください!

 

【おまけ】上の3つのグラフを1つにまとめてみた。というか、もともとはこれでした。

f:id:StepSRX:20190525111331p:plain

《充放電_電圧電流の3つのグラフ》